Ponsart (ポンサール)|モンターニュ・ド・ランスの新進気鋭シャンパーニュ
3人の兄妹が手掛ける新進気鋭のレコルタン・マニピュラン。(レコルタン・マニピュラン=自社畑のぶどうだけで自らシャンパーニュを造る小規模生産者のことです。)
ムニエ主体でテロワールを表現し、環境に配慮した栽培と最小限の介入で真髄を追求しています。
まだ無名ながら既に国内外で高く評価されるも、年産わずか6,000本と希少なため、一握りの愛好家だけが楽しめるシャンパーニュです。
ポンサールの誕生と家族によるシャンパーニュ造り
モンターニュ・ド・ランス、ジャンヴリー村に居を構えるポンサールは、3人の兄妹が営むレコルタン・マニピュランです。彼らは、年産2万本程度の小規模な家族経営メゾン、ポンサール・デラガルドを実家としながら、2016年に自らのファースト・キュヴェを醸造しました。2025年からは3人の手によるオリジナル・シャンパーニュの生産を本格化させ、まさに新進気鋭の造り手となっています。
醸造責任者を務める弟のシャルルは、アヴィーズにて栽培と醸造を学び、ヴリニーのロジェ・クーロンでのインターンなどを経て、2016年に家業へ戻りました。
兄のバティストは、ヴリニーのルラージュ・プジョーで研鑽を積んだ後、農業機械の操作や整備を学び、現在はブドウ畑の機材管理と土壌管理を一手に担しています。
そしてビジネスとマーケティングの学位を修めた妹のベルティーヌは、その魅力と哲学を世界に伝えるべく、販売戦略と広報を統括しています。ポンサールは、三者三様の才能を結集し、彼らが描く理想のシャンパーニュ造りを追求しています。
ムニエ主体の畑と徹底した環境配慮
家族が守り育てる10haの畑は、モンターニュ・ド・ランスの10の異なる村に広がりますが、その中心を成すのはジャンヴリー村とジェルミニー村の2つです。
ランスの南西に位置するこの西側エリアは、ラ・プティット・モンターニュ・ド・ランス地区と呼ばれ、北向き斜面や平地が多いため、霜害に強いムニエの栽培比率が高いです。ヴァレ・ド・ラ・マルヌとともにシャンパーニュにおけるムニエの2大産地の一つですが、川に近いヴァレ・ド・ラ・マルヌに対し、プティット・モンターニュはより山岳地帯の土壌を持ちます。
川沿いのフルーティーで丸みのあるムニエに対し、ワインの骨格もより力強く、深みを持つ傾向があります。
ポンサールの品種構成はムニエが60%、シャルドネが25%、ピノ・ノワールが15%であり、彼らは「ワイナリーのテロワールのアイデンティティはムニエにある」と語っています。
3人が掲げるフィロソフィは、「環境への深い配慮とブドウ樹への敬意に基づき、テロワールの真髄を映し出すこと」にあります。
ブドウ樹一本一本の個性を深く理解し、そのポテンシャルを最大限に引き出すべく、謙虚な姿勢で栽培に向き合っています。
この真摯なアプローチが、誠実で寛大かつ、優雅な複雑さを備えたワインを生み出す礎になると考えています。
環境への深い配慮は、彼らのシャンパーニュ造りの根幹をなしています。
畑はオーガニック栽培で管理され、化学除草剤は一切使用せず、銅、硫黄、植物エキスのみを使用しています。
土壌の健康と周辺の生態系への配慮を第一に考え、区画の周囲には果樹を植えるなど徹底しており、将来の有機認証取得を目指しています。
醸造においても、人的介入を最小限に抑え、自然酵母での発酵を基本としています。
ワインはオーク樽で発酵・熟成し、清澄や濾過は行いません。収穫時には、ブドウの酸化を防ぐために小型の収穫箱を採用しています。
2025年には、年間を通して安定した温度管理ができる自社ワイナリーが完成しました。そこには最新鋭のコカールPAIプレス機が導入され、発酵過程を精密に管理する温度管理機能付きのタンクも備えています。
この設備投資は、ワインの精度と品質をさらに高めるための大きな一歩であり、テロワールの潜在力を最大限に引き出すことに意欲を燃やす3人の情熱の証でもあります。

高い評価と希少性
ポンサールはまだ無名の生産者ですが、その品質は早くも注目を集め、高い評価が寄せられています。
Wine Advocate誌の編集長ウィリアム・ケリーは、彼らのワインを「非常に個性的でスタイルのある、力強いワインだ」と評し、同誌のシャンパーニュ担当批評家クリスタプス・カールクリンシュは「これらのワインは、独自のスタイルと個性、常に安定したクオリティを持つ。逞しく、力強いワインであり、心からお勧めできる生産者だ」と称賛しています。
今後、世界的な注目を集めることは間違いありませんが、ポンサール名義でリリースされるワインは年産わずか6,000本程度と極めて稀少なため、手に入れられるのは一握りの愛好家のみです。
※インポーター資料より引用