
イタリアワインの名産地モンタルチーノで注目の造り手「レッチャイア」
イタリアワインの中でも高い評価を受ける「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」。その名産地モンタルチーノの南側斜面に位置し、注目を集めているのがワイナリー「レッチャイア」です。
トスカーナ州の内陸、ティレニア海から約60km離れたモンタルチーノは、まるで丘の上に浮かぶ島のような特別な地形を持ちます。南東にあるアミアータ山が激しい天候から畑を守っており、春と秋に適度な雨が降る温暖な地中海性気候がブドウ栽培に理想的な条件を与えています。
この地では、サンジョヴェーゼの中でも特に力強く長期熟成に向く「サンジョヴェーゼ・グロッソ」が、じっくりと完熟。その結果、酸がしっかりありながら、タンニンなどの旨み成分(フェノール類)が豊富なブドウが育ちます。まさにこの品種のために選ばれたような土地といえるでしょう。

南側斜面の優位性と、レッチャイアが持つ恵まれたテロワール
モンタルチーノの中でも「レッチャイア」が畑を構えるのは、標高約350mの南側斜面の中腹。日照に恵まれ、風通しがよく、暑すぎない安定した気候のもとで、しっかりと熟したブドウが育ちます。
畑は東向きで、あの伝説的ワイナリー「ビオンディ・サンティ」と同じ丘の並びに位置。粘土質土壌にシストを含むミネラル豊富な土壌構成もよく似ており、イタリアワインファンにとっては注目のテロワールです。
レッチャイアは1983年、マウロ・パチーニにより設立されました。彼はもともと北トスカーナのルッカでワイン造りをしていましたが、より高品質なイタリアワインを追求するため、理想の土地を求めてモンタルチーノにたどり着きました。ルッカの家族の畑を手放してまで、この地に人生を懸けたのです。
現在ではモンタルチーノとマレンマに計32haの自社畑を所有。さらに15haの契約畑もあり、いずれも収量を抑えて健全なブドウを育てるため、細やかな管理が徹底されています。

クラシックな味わいを追求する、レッチャイアのワイン造り
レッチャイアでは、モンタルチーノ南側の恵まれた自然条件を活かすため、醸造方法はシンプルかつ伝統的です。
温度管理されたステンレスタンクで発酵を行い、その後はスロヴェニアンオークの大樽でじっくりと熟成。テロワール由来の豊かな果実味と骨格を、過剰な操作をせずに自然なかたちで表現しています。
醸造責任者を務めるのは、ブルネッロのスペシャリストとして知られるピエトロ・リヴェッラ。彼はモンタルチーノ北側の名門「アルテジーノ」でも醸造を手がけ、長年にわたりブルネッロの品質を支えてきました。
その兄エツィオ・リヴェッラは、現在ブルネッロ協会の会長。まさに、モンタルチーノを知り尽くした兄弟です。
こうした信頼できるチームと、妥協のない姿勢が生み出すレッチャイアのブルネッロは、クラシックでありながら肩ひじ張らず楽しめる1本。
イタリアワインの魅力をあらためて感じさせてくれる、価格以上の価値を持った優良ブルネッロです。