商品について
テイスティングコメント
ブルネッロと見紛う赤いチェリーや小さなベリー系果実に満ちた香りにタバコやスモークのニュアンス。
大らかな果実を支える生き生きとした酸と堅固なタンニン。
ジューシーな味わいに、ロッソには稀な深みと複雑さが感じられます。赤系果実が漂うフローラルなフィニッシュが非常に心地よいです。
ストーリー/製法の特徴
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの生産者、マストロヤンニが手掛けるロッソ・ディ・モンタルチーノ。
原産地呼称
DOC. ROSSO DI MONTALCINO(ロッソ・ディ・モンタルチーノ)
醸造
コンクリートタンク発酵、オーク樽6ヶ月熟成後、コンクリートタンク6ヶ月。
おすすめの料理
- 鶏肉のトマト煮込み
- 豚肉のグリル
- ラザニア
- 焼き鳥
- きのこのソテー
評価
Jeb Dunnuck(ジェブ・ダナック):90点
生産者情報
生産者について
ワイン評論家マット・クレイマーが「飲まずに死ねない」と明言するイタリア最高のワイン、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。その代表的生産者として、マストロヤンニは数多くの愛好家やプロフェッショナルに愛されてきました。
ワイナリーの歴史
その創業は1975年です。このアペラシオンの生産拡大に火をつけたバンフィの設立や、ブルネッロのD.O.C.G.昇格以前のことです。
縁あってこの地所を手に入れた弁護士のガブリエーレ・マストロヤンニは、ここが優れたブルネッロを生む土地であることをすぐに確信し、畑を拓いてブドウの植樹を行いました。
1990年代、2人の醸造家が、マストロヤンニ氏がいち早く見込んだカステルヌオーヴォ・デッラバーテのポテンシャルを、彼が目指す以上に引き出しました。栽培から醸造までワイン造りの全てを監督するアンドレア・マケッティと、コル・ドルチャなどブルネッロの多くの造り手のコンサルタントを務めるマウリツィオ・カステッリです。彼らはマストロヤンニ氏の「伝統ありき」の信念を共にし、「ワインは畑で育つ」というポリシーを実践しています。
創始者のマストロヤンニ氏の死後、2008年に醸造所はエスプレッソコーヒーの最大手、グルッポ・イリーの手に渡りました。大資本が入ることで全く別のワインになるのでは、と多くの人が危惧しましたが、イリーが出した買収の条件はむしろ、これまでと同じスタッフ、同じフィロソフィで、マストロヤンニの名の下にワイン造りを続けることでした。特に2人の醸造家アンドレア・マケッティとマウリツィオ・カステッリが醸造所に留まることが必須条件でした。
イリーが唯一手を加えたのは、選果台や部分的な木製の発酵槽の導入、セラーの改装など、ハード面のみでした。マストロヤンニの築いてきた伝統とアイデンティティが守られたのは、この買収をグルッポ・イリーに働きかけたフランチェスコ・イリーの功績です。フランチェスコはマストロヤンニのワインの30年来の愛好家というだけではなく、近隣にポデレ・レ・リピという醸造所を個人的に所有する関係から、ワイン造りをアンドレアとマウリツィオに師事しました。彼にとってマストロヤンニは公私ともに最大限の敬意を払うべき存在だったのです。
イリーによる大規模な設備投資のおかげでワインはよりクリーンになり、クオリティは一層向上しましたが、マストロヤンニの核となる部分は変わりません。大樽での熟成や、設立当時に植樹された古樹から造られる最上クリュ、ヴィーニャ・スキエーナ・ダジノにその伝統が息づいています。初めてリリースされたヴィーニャ・ロレートは、マストロヤンニ家所有の時代から構想があり、グルッポ・イリーの下で形となった、マストロヤンニの伝統の継承を象徴する新たなクリュ・ブルネッロです。
アンドレアはこのワイナリーでの実績を買われ、ブルネッロ協会のメンバーとして招聘されたため、ワイナリーを後にしました。その後釜はトゥア・リータで経験を積み、2022年のイタリア最優秀若手醸造家賞を受賞した女性醸造家ジュリア・ハーリが継いでおり、伝統を守りつつ新たなチャレンジを行っています。
畑・環境・気候
醸造所と畑はアペラシオンの最南端、カステルヌオーヴォ・デッラバーテの丘陵に位置しています。
元々ロレート・エ・サン・ピオと呼ばれていたこの農園は、シルト質や粘土質からなる石の多い痩せた土壌を持つ急斜面にあり、崩れやすく、耕作に不向きとされていました。そのため、創業以前は森と牧草地が広がるのみで、ブドウ畑はありませんでした。
しかし、南部特有の温暖な気候に加え、南西から南に開けた斜面は日照が豊富です。夏は雨が降らず、日中の気温は時には40度にも達しますが、南に迫る標高1700m級のアミアータ山から常に涼しい風が吹くため、昼夜の寒暖差は15度を超えます。また、アミアータ山により、嵐や雹からも守られています。
製法・こだわり
このテロワールが育むブドウから余計なものを加えることなくワインを造るために、発酵にはニュートラルなコンクリートタンクを、熟成には大樽を用いることは最初から決まっていました。ブルネッロの伝統に重きを置くマストロヤンニの作品は、初期のヴィンテージからこの地の上質なブドウに特有の素晴らしいアロマを呈していたといいます。
化学薬品を用いない栽培は有機農法に基づいていますが、ビオかどうかよりも、生態系を整え、病害が起こりにくい環境にすることで、人の手を加えずとも質の高いブドウを得ることに焦点が置かれています。
収量制限も厳しく行われ、質の悪いブドウはグリーンハーヴェストで除去し、収穫時には、熟していないブドウや過熟したブドウは畑で選果され、枝から切り落とされます。
設立当初から変わらないコンクリートタンクでの発酵、大樽での熟成でも、ワイン自身が発展するよう、人の手の介入を最小限にとどめています。