フランツ・ケラー|世界が認めるドイツ最高峰の評価
ドイツのピノ・ノワールは、Decanter(デキャンター)でアール地方のジャン・ストッデン氏が世界一に選ばれて以来注目を集め、近年その品質向上は目覚ましいものがあります。
中でもストッデンやメイヤー・ネーケルといった造り手が力強い単体勝負のワインを造るのに対し、ケラーは肩の力が抜けたスタイルでありながら味わいは一流という独自の個性を持っています。
Eichelmann(アイヒェルマン)で最高評価の5ツ星に加え、2017年度版ではシュペートブルグンダー・シュロスベルクが赤唯一の100点を獲得し、ドイツ・ベスト・ピノ・ノワールに選出されました。
Wine Advocate(ワイン・アドヴォケイト)でも「バーデンで最も素晴らしいPN(ピノ・ノワール)」と称され、さらに2025年には Gault&Millau(ゴ・エ・ミヨ)で5ツ星を獲得しています。
美食とともに歩むワイナリー
ドイツ最南端に位置するバーデン地方はドイツで最も暖かいエリア。
ライン川の対岸にはストラスブールやミュールーズといったアルザスの街並みを臨むことができ、ブドウ畑は南北に約400km細長く伸びており、ドイツにおけるピノ・ノワールの聖地として知られています。
その中でも注目すべきは中央やや南寄りのエリア、原始時代の火山活動によって標高が550m程まで隆起しているカイザーシュトゥール地区です。
フランツ・ケラーは同地区のフォークツブルク・オーバーベルゲン村に位置する家族経営のワイナリー。
1893年にワイン貿易商として創業して以来、長きにわたり高品質なワインを輸入し世の中に紹介してきました。
現4代目当主のフリッツ・ケラー氏はワイン生産者である一方、高品質なボルドーとブルゴーニュに特化したワイン商でもあります。目利きをし、本物を見極めた上で仕入れるからこそ、ケラー氏の造るワインにもその一流の品格が表れ、エレガントな味わいが形成されています。
現在はフリッツ氏の息子フリードリッヒ氏が醸造責任者を務め、ケラー家の二世代が協力して野心的に、そして一貫して、独自のアイデンティティを持つ表現力豊かなワインを造っています。
フリッツ氏はミシュラン一つ星レストラン「シュヴァルツ・アドラー」の経営者でもあり、ワインは料理とともに誰もが楽しむものという信念が伝わります。

火山性土壌と環境に配慮した栽培
ワイナリーでは自社畑と買いブドウ畑を合わせて約60ha所有していますが、すべての畑において除草剤や殺虫剤、化学肥料を一切使用しない環境に配慮した栽培を徹底しています。
有機肥料の使用や機械耕起、土壌を保護する被覆作物(土壌を保護するために植える植物)の植え付けを行うほか、グリーンハーベスト(収量を制限し質を高めるための未熟果の摘み取り)によって、一粒一粒にテロワールの個性を凝縮させています。
土壌は色の濃い火山性土壌がメインで、これがワインに独特なミネラルとスモーキーさを与えています。その他はロス(黄土)、ローム(粘土質の土壌)、一部チョーク(石灰岩)も見られます。
ヴァイングート・フランツ・ケラーは、2014年よりドイツで最も権威のあるワイン生産者協会「VDP. Die Prädikatsweingüter(ドイツ高品質ワイン醸造所連盟)」の会員となっています。
独自性を放つ個性豊かな単一畑の系譜
バスガイゲ(分類:VDP. エアステ・ラーゲ)
・ゲマインデ(村名):オーバーベルゲン
・ボーデン(土壌):黄土と火山性土壌
(特徴)
村を囲む独特な形状の畑。
冷涼な区画の繊細さと、南向き斜面の力強さが共生するエレガントなスタイルです。
パルバーバック(分類:VDP. エアステ・ラーゲ)
・ゲマインデ(村名):オーバーベルゲン
・ボーデン(土壌):黄土と石灰質の風化した火山性土壌
(特徴)
標高400mの森の端に位置。
白亜質の堆積層と大樽熟成が、驚くほど爽やかでミネラル感のあるピノ・ブランを生みます。
エンセルベルグ(分類:VDP. エアステ・ラーゲ)
・ゲマインデ(村名):イェヒティンゲン
・ボーデン(土壌):明るい色と暗い色の黄土を含む火山性土壌
(特徴)
ライン平野を望む風の強い畑。
ブルゴーニュ由来のクローンから、しなやかで女性的なピノ・ノワールが誕生します。
シュロスベルク(分類:VDP. グローセス・ラーゲ)
・ゲマインデ(村名):アッハカーレン
・ボーデン(土壌):石灰質を含む火山性土壌
(特徴)
熱を蓄える急斜面の特級畑。
石垣に囲まれた黒色の火山性土壌から、唯一無二の深みを持つピノ・グリとピノ・ノワールが生まれます。
キルヒベルク(分類:VDP. グローセス・ラーゲ)
・ゲマインデ(村名):オーバーロットヴァイル
・ボーデン(土壌):石灰質を含む火山性砂利
(特徴)
風通しの良い涼しい特級畑。
明るい石灰質砂利の土壌により、ワインは非常に繊細で控えめな味わいに仕上がります。
アイヒベルク(分類:VDP. グローセス・ラーゲ)
・ゲマインデ(村名):オーバーロットヴァイル
・ボーデン(土壌):暗い色の火山性土壌
(特徴)
ワイナリーで最も温暖な特級畑。
力強く男性的なピノ・ノワールで、熟成とともに動物的でタールのような複雑さが現れます。
イム・レー(分類:VDP. グローセス・ラーゲ)
・ゲマインデ(村名):オーバーベルゲン
・ボーデン(土壌):石灰質黄土
(特徴)
古代ローマ時代からの歴史を持つ最良の区画。
1979年植樹の古木が、柔らかな口当たりと黄色い果実の芳醇な味わいを紡ぎます。
ケーナー(分類:VDP. グローセス・ラーゲ)
・ゲマインデ(村名):オーバーベルゲン
・ボーデン(土壌):黄土と火山性土壌
(特徴)
手作業でのみ栽培可能な貴重な古い段々畑。
痩せた土壌がピノ・グリに、東洋のスパイスを思わせる繊細な個性を与えます。

エレガンスを引き出す緻密な醸造
エントリークラスのグーツワインと一部の一級畑エアステ・ラーゲは自社ブドウと買いブドウのブレンドで、特級畑グローセス・ゲヴェックスは自社ブドウのみで造られています。
ピュアで明快な味わいに加え、凝縮感とエレガンスを兼ね備えており、どれも素晴らしい品質です。
醸造では白はフレッシュな果実味を保つため除梗せずにプレスし、ステンレスタンクとオークの大樽を使い分けて熟成させます。
赤はマセラシオン(果汁に果皮などを漬け込み成分を抽出する工程)中はピジャージュ(浮き上がった皮の層を棒で突き崩す作業)ではなくルモンタージュ(下の果汁を抜いて上から散布し循環させる作業)を行うことで、エレガントな果実味を引き出しています。
熟成に使用するバリック(225リットルの小樽)は、フランソワ・フレールやタランソーなど、ブルゴーニュの一流樽メーカーのみを使用し、焼き目はミディアムまでに抑え、果実との調和を重視して樽香が出すぎぬよう心がけています。
※インポーター資料より引用