ロジャーグラート
Roger Goulart
「すべては、その華やかな瞬間のために」
1882年創業の名門カバ生産者
ロジャーグラートはアルト・ペネデス地方、サン・エステヴェ・セスロヴィレスにある名門のカバ生産者です。創業以来、最高品質のカバを造り続け ています。
ロジャーグラートの歴史は、創始者のジョセップ・カナルスが最初にぶどうの栽培を開始した1800年代に遡ります。1860年、彼は農家の古い作業所の一角に、深さ10mの広いスペースを有するカバ・サン・ジョルディ(酒蔵)を造りましたが、当初の目的は、家族のための食料保存庫でした。その後、カナルスは、フランスの不思議な魅力を持つお酒、シャンパンに魅了されます。 栓を抜くと同時にきらめき起こる細やかなゴールドの泡、グラスの中で繰り広がる美しい光景、そして、口に含んだ時の快い刺激と味わいに興味をもったカナルスは、1882年、個人用としてスパークリングワイン造りを試みます。シャンパーニュと同じく、伝統的で最も磨き抜かれた製法に厳格に従ったそのスパークリングワインは、瞬く間に知れ渡り、公のものとして商品化されるようになりました。創業より135周年を迎えた今でも、ラベル貼り等、一部の作業を除き、製造の大半を昔ながらの作業で行います。
長期熟成へのこだわりと「ヴィンテージ・カバ」
1. 伝統的な製法とベースワイン造り
ロジャーグラートの醸造方法は創業当時から変わることなく、世界中で最もエレガントなスパークリングワインを生み出す、トラディショナル 製法を厳格に守り続けています。毎年、厳選した最高品質のぶどうをこの製法で丁寧に醸造することで、香り高く素晴らしい味わいのカバが生まれるのです。
ロジャーグラートでは、カバが年月をかけて熟成するためには、その元となるワインの品質が最も大事だと考え、厳選したぶどうの一番搾り果汁(ファーストモスト)の50%のみを使用します。シャンパーニュ地方の平均的なぶどうの使用料が、1Lにつき1.7kgであるのに対し、ロジャーグラートでは2.5kgものぶどうを使用します。そのため、必然的に通常のワイン造りより多量のぶどうを必要とし、大量生産はできません。
2. 先祖からの遺産:地下セラー
ロジャーグラートには敷地内に地下30メートル、全長1kmに及ぶセラーがあります。空調設備なしで気温は常に14-15℃、湿度、静寂も一定に保たれているため、ワインの発酵と熟成を、時間をかけて進行させることが可能です。例えば、18℃以上の温度で発酵を行うと3週間ほどで終わってしまいますが、14-15℃ならば3ヵ月かけて発酵を行うことが可能となり、よりきめ細やかな泡と味わいが生まれます。このセラーは100年以上も前に造られたものであり、この規模の地下セラーを今の時代に造るには莫大な費用が掛かるため、他では真似できない貴重な遺産となっております。
3. 酵母の作用
カバの最低熟成期間は9ヵ月と規定で定められておりますが、ロジャーグラートでは9ヵ月熟成のカバを造ることはありません。なぜなら、9ヵ月という規定は商業的な側面が強く(2月から10月まで熟成させ、その年末の最需要期に販売するというサイクル)、熟成による深みが生まれるのは熟成10ヵ月目以降だからです。発酵の始めの段階で酵母は糖分と合わさってアルコールと炭酸に分解されますが、熟成が10ヵ月目に入ると酵母が「自己分解」を起こし、プロテインやアミノ酸といった成分がワインに溶け込むため、しっかりとした骨格が形成され、複雑味が増してゆきます。また、泡もよりきめ細やかで、持続性のあるものへと進化します。そのため、ロジャーグラートの商品はエントリーレベルからトップキュベまで全て長期熟成にこだわって造っています。ロゼで少なくとも14-18ヵ月、グラン・レセルバは最低48ヵ月熟成させ、他のカバとは異なる、特別な味わいを生み出しています。熟成期間の短い汎用的なカバと長期熟成の味わいを少しでもわかりやすくするため、全てのボトルに収穫年度の「ヴィンテージ」を印字し、長期熟成へのこだわりの証としています。
インポーター資料より引用