ドメーヌ・ダヴィド・デュバン三ツ星を|三ツ星を獲得したブルゴーニュの旗手
1971年生まれの醸造家、ダヴィド・デュバン氏は、現在ブルゴーニュのヴィニュロン(ブドウ栽培兼ワイン醸造家)の中で注目度がナンバーワンといえる実力派の造り手です。
ドメーヌの歴史は1965年、父ピエール・デュバン氏がオート・コート・ド・ニュイの中心地であるシュヴァンヌに「ピエール・デュバン・エステート」を設立したことに始まり、当時は約15ヘクタールの畑から収穫されるブドウの全量を生産者協同組合に販売していました。
転機となったのは1991年、弱冠19歳で醸造学校を卒業したダヴィド・デュバン氏の参画であり、1.5ヘクタールの自社畑において待望の醸造と瓶詰めが開始されます。
父から栽培の基礎を学ぶ一方、親戚のドメーヌ・ピエール・アミオやドメーヌ・アルローでの研修、そして師と仰ぐロベール・ジャイエ氏やジャイエ・ジル氏との出会いを通じて、独自の哲学を構築。
1993年にはオート・コート・ド・ニュイやヴォーヌ・ロマネでのブドウ園運営を皮切りに、1998年には初のエシェゾー・グラン・クリュを取得します。
さらに2006年にはジャッキー・トルショ氏やルイ・レミー氏の名高い畑を継承し、2009年にはシャンベルタンとラトリシエール・シャンベルタンという二つの偉大な特級畑がラインナップに加わりました。
その躍進の結果、2015年には「ル・メイユール・ヴァン・ド・フランス2015」にて最高評価の三ツ星を獲得するに至ったのです。

一切の妥協を排した究極のワイン造り
【自然とテロワールへの深き敬意】
ダヴィド・デュバン氏が最も力を注ぐのはブドウ栽培です。
彼は1970年代の大規模な化学栽培を捨て、1960年代以前の伝統的な手法を研究。
1998年以降は除草剤の使用を中止し、畑の耕作を徹底することで土壌の活性化を図ってきました。
さらに「ワインの品質とは多くのリンク(輪)で構成された強固な鎖のようなもの」と考え、環境への配慮と品質向上のために2006年から有機農法への転換を決断。
その取り組みは実を結び、2007年にエコサート(国際的な有機認証機関)、2010年にはABマーク(フランス政府公認の有機認証)を取得しました。
畑を「観察し、耳を傾け、分析する」という再学習を自らに課し、自然の生態系を維持しながらクリマ(区画)の複雑さを最大限に引き出しています。
【全房発酵が導くエレガンスの極み】
醸造においては、自然な状態で発酵・熟成させることを理想としています。
細心の注意を払いながら醸造テクニックに頼らず、人為的介入を極力避ける手法を徹底。
瓶詰め後すぐに楽しめ、かつ長期熟成も可能な、芳醇な果実味・酸味・タンニンが調和したワイン造りを目指しています。
赤ワインは、2006年~2008年にかけて発酵に全房を用いるようになり、2008年に現在の全房スタイルを確立しました。
全房使用比率は、オート・コート・ド・ニュイ・ルージュで40~50%、ヴィラージュ(村名格)で60%、プルミエ・クリュ(一級畑)で75~80%、グラン・クリュ(特級畑)では90~100%に達します。
発酵中は毎朝のテイスティングにより、ピジャージュ(果皮を突き沈める作業)の回数を決定。
樽熟成は約14~16ヶ月間行われ、新樽比率はオート・コート・ド・ニュイで30%、それ以外のクラスは40%に設定されています。
赤ワインはタンクにて3ヶ月間の静置、白ワインは軽い澱引きを経て、その後、いずれもろ過や清澄を行わずに瓶詰めされます。
こうして生まれるワインは、花やスパイスのアロマを纏い、フィネスと力強さを兼ね備えた唯一無二の存在となるのです。

テロワールを写し出すアペラシオン
ドメーヌの真髄は、各地の複雑な土壌を全房発酵という鏡で鮮明に映し出すことにあります。
【オート・コート・ド・ニュイ】
ドメーヌの原点。
標高300~400mの冷涼な区画から、フレッシュでミネラル感に優れたワインが生まれます。
全房発酵により酸味が美しく和らぎ、瓶詰め後すぐに楽しめる親しみやすさとエレガンスを兼ね備えています。
【コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ】
コンブランシャンやコルゴロワンの硬い石灰岩質、そしてフィサンやブロションの赤褐色土壌。
多様な地質が混じり合うこの地からは、素朴ながらも芯の通った、大地のエネルギーを感じるワインが造られます。
【モレ・サン・ドニ】
粘土石灰質と泥灰土質が織りなす、非常に質の高いテロワール。
特級畑「クロ・ド・ラ・ロッシュ」を筆頭に、際立ったミネラル感と、気品あふれるエレガントなスタイルが特徴です。
【シャンボール・ミュジニー】
「ブルゴーニュで最も女性的」と称されるアペラシオン。
浅い土壌と良好な排水性が、驚くほど洗練された質感を生みます。
特に「1級レ・サンティエ」はモレ・サン・ドニに隣接し、長く美しい余韻を持つ、この地を代表する名品です。
【ジュヴレ・シャンベルタン】
石灰質の褐色土壌が生み出す、男性的な力強さ。
しかしデュバンの手にかかれば、強すぎるタンニンは影を潜め、凛とした骨格の中に優雅さが宿る、極めて洗練された味わいへと昇華されます。
【ヴォーヌ・ロマネ】
特級畑に隣接する、標高の高い丘陵地帯に位置。
華やかなアロマと深みのある複雑性が共存し、ブルゴーニュの聖地らしい風格を漂わせます。
【ニュイ・サン・ジョルジュ】
多様な堆積物から成る複雑な土壌。
特筆すべき「1級レ・プロセ」は、わずか3つの名門ワイナリーのみが所有する希少な区画です。
恵まれたヴィンテージには、圧倒的なミネラル感が他の要素と完璧に調和します。
※インポーターおよび公式情報を基に構成